特徴
ヒトの足は直立二足歩行に適した構造を有している。人の足は人の手と同様に10以上の骨格筋と腱から成り立っており、立っていて体重を移動したときにそれぞれが細かく動くことで負荷を分散させている。
ヒトの足とサルの足を比較すると次のような特徴がある。
1. サルの足は第一趾(親指)が他趾から離れていて幅が広く、ブラキエーション(枝から枝への移動)に適している。これに対してヒトの足は趾部が互いに密着しており細長い形状をしている。
2. サルは生後から成人になるまで足型がほとんど変化しない(サルの場合には足に占める趾部(指の部分)の割合は約35%でほとんど変化しない)。ヒトの場合、足に占める趾部(指の部分)の割合は、幼児では約25%であるのに対し、成人になると約17%から18%となる。一方、ヒトの足の足根部(踵)は幼児期よりも成年期のほうが大きく、直立姿勢に適しており、歩行の際にも前方に踏み出す推進力を効率よく引き出す構造になっている。
3. サルの足は関節が柔らかく手のように扱うことができるが、固定力は弱く、直立姿勢や歩行には不利である。そのため霊長類はかつては「四手類」と呼ばれた。ヒトの足は重い体重を支え歩行にも耐えうるよう足根部や中足部の関節がじん帯や筋肉で強く固定されている。