日本企業ランキング6位の時価総額
キーエンスは、トヨタ自動車(41.3兆円)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(24.3兆円)、ソニーグループ(23.2兆円)などに続く、日本を代表する企業と肩を並べるほどの時価総額を誇っています。これは非常に注目すべきことであり、特にキーエンスが一般消費者向けの商品をほとんど展開していないBtoB専業企業であることを踏まえると、その価値の高さがより際立ちます。

他の上位企業の多くは、自動車、金融、家電といった分野で、一般の人々にも馴染みのある製品やサービスを提供しており、広く知られたブランド力を持っています。それに対し、キーエンスは主に製造業向けのセンサーや測定器、画像処理機器など、工場の自動化や品質管理を支える産業用製品を中心に事業を展開している企業で、製造業としては非常に高い評価を受けています。
50%を超える高い営業利益率
一般的な製造業の営業利益率は3〜5%が平均的ですが、キーエンスはその10倍以上の51.2%を記録しています。
注目すべきは、この数値が米国の優良IT企業をも上回っている点です。アップル31.5%、Microsoft44.6%と比較しても、キーエンスの利益率の高さは際立っており、しかも製造業でこの水準を実現しているのは注目に値します。

国内トップクラスの平均給与水準
キーエンスは、社員への高い還元でも注目される企業です。2024年3月期の平均年収は2,067.1万円、平均年齢は35.2歳と、いずれも国内トップクラスの水準です。大手企業の平均年収が800万円前後であることを考えると、その差は歴然としています。入社数年後には1,000万円を超え、30代で2,000万円に達する社員も珍しくありません。

日本企業の多くが収益力の維持に苦戦する中、なぜキーエンスだけがこれほどまでに安定して高収益を実現できているのでしょうか。
その理由は、ひとつの得意分野に依存することなく、製品開発、物流、生産体制、組織文化など、企業活動のあらゆる領域で高いレベルの取り組みを積み重ねているからです。中でも注目すべきなのが、利益の源泉とも言える「営業」に対する徹底した仕組みづくりです。
キーエンスでは、営業活動を個人のスキルや経験に任せるのではなく、誰が担当しても同じ成果が出せるよう、営業プロセスそのものを科学的に設計・運用しています。私たちは、この“再現性のある営業力”こそが、キーエンスを高収益企業たらしめている中核的な仕組みだと捉え、その全貌を一冊のマニュアルにまとめました。




































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































