乳房(にゅうぼう、ちぶさ)は、哺乳類のメスがそなえる外性器の1つ。構造上は外皮と密接な関係があり、女性では乳腺から乳汁を分泌し、哺乳器としての機能を内包する。その形状や大きさには個人差、年齢差があり、乳腺の分泌期とそうでない時期によっても異なる。女性では10歳前後から発達し始め、成人では前胸壁の大胸筋上に半球状(椀状)に隆起し、底面の直径は平均で10-12cmほどである。

日本語としては、大和言葉(和語)で「ち」「ちち」「おちち」「ちぶさ」などと呼ばれる。「ち」と「ちち」に当てる漢字は「乳」。「ち; 乳」は『万葉集』にも見られる古語で「乳飲み子」「乳離れ」「添え乳」「乳兄弟」などの形で現代語にも形態素として生きてはいるものの、いずれも「乳汁」の意であり「乳房」を意味する語としては廃れて久しい。「おちち」の「お」は丁寧語の「御」で、漢字では「御乳」と書くが、現代に限るなら「お乳(おちち)」あるいは「おちち」と読み書きし、一般的にはそれ以外の用例は見られない。「ちぶさ」は「乳房」と記す。

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