北海道を代表する秋の味覚の秋サケ。

 北海道十勝地方の大樹漁港で9月2日、初水揚げがありましたが、食卓を不安にさせるある予測が。いったい何が原因なのでしょうか。

大樹町で秋サケ初水揚げ

 ピチピチと跳ね銀色に輝く魚。9月2日正午ごろ、大樹町の大樹漁港で初水揚げされた秋サケです。

 8月30日に解禁となった秋サケの定置網漁。資源保護のため、十勝では3日遅れでのスタートとなりました。十勝の大樹漁港では5隻が出漁し、2023年とほぼ同じ量の約1.2トンを水揚げしました。

 「(サケが)痩せているというかひょろ長い。少し期待はしていたが網を入れて2、3時間なので。あす以降に期待したい」(大樹漁業協同組合 川井 広道 専務理事)

 水揚げされたサケは早速、競りにかけられ、1キロあたり高いものでメスが1900円で、2023年に比べ8割以上高くなりました。

秋サケ漁獲量は年々減少傾向

 北海道沿岸の秋サケ漁獲量は2023年は2000万匹をわずかに下回り、2022年は3000万尾に迫る豊漁でした。

 食卓に欠かせない国民的な魚・サケ。今後の見通しは。

 「水温が上昇するとともに(秋サケの)エサ生物、プランクトンも少なくなっている」(道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場 卜部浩一さん)

海水温上昇がサケの来遊数に影響

 危機感を募らせているのはサケを研究する道立総合研究機構です。

 河川も含む北海道内の2024年のサケの来遊量は2023年の24.5%減の約1703万匹と予測。

 平成以降で最少だった2017年の来遊量1736万匹を下回る水準です。なぜ魚の量が減るのでしょうか。

 「オホーツク海 北太平洋 ベーリング海、アラスカ湾をサケは移動していくが、そのいずれの場所も水温が上昇してきている」(卜部さん)

 原因は海水温の上昇です。すでにサケの人工ふ化事業で影響が出ています。

 「9月下旬、また10月以降のサケを中心に資源をつくっていく考え方をしている」(卜部さん)

 これまで親魚が川に戻ってくる9月に人工授精を行っていましたが、海水温の上昇で遡上するサケが減ったといいます。

 育った川に戻るサケですが、やはり低水温を好みます。

 北海道は今後、海水温が下がる10月以降に人工授精を強化し、サケの資源回復に乗り出す考えです。

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